1月9日15時7分配信 西日本新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090109-00000015-nnp-l40
派遣切りなどで住居をなくした非正規労働者に、福岡県や県内6市が公営住宅を安価で貸し出しているが、用意した計131戸のうち入居は8日現在で15戸にとどまっている。3月までに失職する非正規労働者は全国で8万5000人、県内で約1800人とも言われ、各自治体とも競争率が高い公営住宅をせっかく確保したが、今のところ思うような効果は上がっていない。 (地域報道センター・稲葉光昭)
■「市民との公平性ネック」
「『行き先のない方はどうぞ』と福岡市も(市営住宅を)開放したが『入る』という方はない。有効な手だてが打ててないと反省している」。6日、連合福岡の会合であいさつした福岡市の吉田宏市長は悩みを打ち明けた。
福岡県によると、先月末から県が県営住宅と県住宅供給公社の賃貸住宅(計90戸)を半額で貸し出したほか、福岡市(10戸)、北九州市(10戸)、久留米市(5戸)、飯塚市(7戸)、田川市(5戸)、筑後市(4戸)が敷金なしや低料金での貸し出しを始めた。各自治体とも転居時に次を募集しないなどして「空き室」を確保した。
しかし、これまで県営7戸と県住宅供給公社7戸、北九州市営1戸以外は入居者がない。相談は福岡市が28件、県にも60件(いずれも8日現在)あったが、入居は思うように進まない。
ネックになっているのが、各自治体が設けた入居条件。「市内(県内)に在勤していたが、解雇されて社員寮を退去した人」などに制限しており、福岡市には広島や大分などから問い合わせがあったが、やむなく断ったケースもあったという。
各自治体とも、この条件を簡単に緩和できないジレンマを抱える。公営住宅は家賃の安さから人気が高く、福岡市の平均申し込み倍率は約25倍、北九州市は約10倍。「一般市民との公平性を考えると、条件は変えられない」(北九州市)というわけだ。
一方、同県内で約1400の空き部屋を低料金で提供し始めた国の雇用促進住宅は、全国どこからでも入居可能。運営する雇用振興協会九州支所(福岡市)によると、先月15日から入居者が決まったのは8日段階で82戸(一部辞退者含む)で公営住宅の5倍以上。
雇用促進住宅の入居は各地のハローワークで受け付けており、「仕事と住まいを同時に探す人が多い」(福岡労働局)ことが、自治体との差となっているようだ。

