6月20日14時27分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090620-00000550-san-soci
解雇や契約終了で社員寮などからの退去を余儀なくされた求職者に対し、神奈川県が全国に先駆けて実施した県営住宅への期限付き入居。第1弾として募集した横浜市泉区の「いちょう上飯田団地」の退去期限が6月末に迫り、入居者らは不安を募らせている。
同団地は県が平成20年12月〜21年3月に、ハローワークを通じ単身者を対象に3カ月から半年の期間、3千円〜4千円の家賃で入居者を募集。45戸に計92人が入居したが22人が退去し、現在の入居者は70人となっている。
県が20年5月に当時の入居者74人に対して実施したアンケート(53人が回答)によると、6月下旬に退去できるとしたのは23人だった。移転先の住宅について、「探している」としたのは35人で、「不動産店などに相談した」と答えたのは13人。厳しい現状が浮き彫りになった。
松沢成文知事はこれに対し、「8月までは入居期限の延長も検討する」と表明。9月からは公募による入居者が控えており、松沢知事によると「それを差し置いて今の入居者を優先してしたら、県の政策として本末転倒」といい、「県でも紹介するなどサポートするので、(期限までに)次の仕事を探してほしい」というのだ。
ともあれ、同団地の入居者らも4月〜6月、県に入居期間の延長などを要望してきたこともあって、病気にかかっているなどの入居者については生活保護で対応し、職業訓練中の入居者などに対しては、7月後半以降に国が実施するとしている特別生活費の支給が始まるまで、「つなぎ」でそのまま入居できることになった。
また県は6月15日〜同月24日、入居者に対し、ハローワークを通じて再就職の予定や求職活動の状況、住居の確保などについて「特別職業相談」を実施。結果をまとめて今後の具体的な対応を検討していくとしている。
ただ、関係者の不安はぬぐえない。同団地の連合自治体役員は「8月まではいいというが、それ以降の言及がない。その間に出て行ってくださいよと。みんながみんなうまく収まるとは思えない」と懸念する。この役員は「(同団地には)入居者がいないところが約20戸あるのに…」とも話した。
県内ではほかに、10月末が退去期限の逗子市の県営「沼間南台団地」に13人(6月12日現在)が入居している。また横浜市や相模原市など10市町が提供する公営住宅や住宅供給公社2社の住宅には約240人が入居している。
松沢知事は「市町や公社とも対応を協議して、連携して取り組んでいきたい」としているが、回復の兆しがみえない雇用情勢の中で、不安は大きくなるばかりだ。

